【書籍化決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

ロバート


 皆が笑顔で再会を喜んでいたところ、ロバートがふとソフィアの存在に気付いた。

 
 「おや、こちらのお嬢様はどちら様ですかな?」

 
 ロバートが優しく聞いてきたけど、ソフィアはまだ喋る事が苦手で言葉が上手に出てこない。私のスカートにしがみつき、顔を埋める勢いだ。何とか喋ろうとしているのか、スカートを握る手は更に力が入って震えているのが布越しでも分かる。

 
 「ロバート、この子はソフィアっていうの。後で詳しい事情は説明するわね、ひとまず我が公爵家で面倒を見たいと思って連れてきたの」

 私がそう言って助け船を出すと、ホッとした表情をするソフィア。無理に今話す必要はないわね。ロバートは私の表情を見て複雑な事情を察してくれたらしくて、その場でこれ以上追及してくる事はなかった。

 
 「ふむ。ではこの小さなお嬢様の為のお部屋も必要ですな。すぐにご用意いたします。」

 ロバートが笑顔でそう言ってくれたのだけど、ソフィアは私にしがみついている状態なので一緒にじゃないと寝られないわね。

 
 「部屋は私と一緒で大丈夫よ。これまでも一緒に寝てきたし、私が一緒じゃないと寝ないと思うから」
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