【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
長居はしないでねって事ね。
見たらさっさと帰ってほしい雰囲気がプンプンしてきて、笑顔で返事をしつつも早く帰る気はさらさらなかった。
私が意気込んでいると、イザベルが優しい声をかけてくれる。
「坑道の中は危険です。オリビア様は私のそばを離れないでください」
「イザベル、ありがとう。とても心強いわ」
私の言葉に少しはにかむイザベルが可愛くて、朝から癒されるわ。
でも腕相撲大会を見ていたら、イザベルのそばにいれば本当に大丈夫のような気持ちになれてしまうわよね。
ヴィルもイザベルに対抗したのか「怖くなったら私の腕を掴んでもいいから」と言ってくれたのだけれど、次の瞬間馬車がガタンと揺れ、隣りに座るイザベルの腕を掴んでしまう。
「オリビア様、私の腕をお使いください」
「ありがとう」
向かいに座るヴィルがあからさまにガックリしているのをレジェク殿下が笑いを堪えていて、私はほんの少し可哀想になりウィンクしてあげると、分かりやすく元気になったのだった。
しょうがない人ね……そう思いながらも、こんなやり取りも悪くはないような気がしている。
そんな馬車の旅もレジェク殿下の言う通り3時間ほど過ぎると、目的地のカンウェイ炭鉱が目の前に現れたのだった。