【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
ヴィルの言葉に頷き、私たちの言葉を聞いたザンダ鉱夫長は「こちらです!」と元気に案内してくれる。
坑道の入口まで歩いて行く最中も、多くの炭鉱夫たちからの視線を一身に浴びる事になった。
他国の王族が見学なんて初めてでしょうし、そりゃ驚くわよね。
鉱員の中には女性もいて、背中に大きな木箱を背負い、石炭を運んでいたり、テーブルの上で何か作業をしていたりした。
私は興味深々となり、彼女たちに声をかけてみる。
「これは何をしているの?」
「あ、あの……!ウルフ安全灯の点検ですっ!中は暗いので灯りがないと危険ですので……いつでも使えるように整備を」
「それは重要なお仕事ね!」
暗い坑道を照らす安全灯がないと、太陽の光りが全く届かない真っ暗な中の作業になってしまうものね。
電気の安全灯はないから、一つ一つ整備しているんだわ。
そんな事を考えていると、なぜか女性の鉱員たちに「ありがとうございます!」と感謝をされる。
ハミルトン王国では女性もこういった場で働いているのかしら……採掘場では働いていないでしょうけど。
悶々としていたら、レジェク殿下に「さぁ、行きましょう」と促されてしまったので、その場を離れるしかなくなったのだった。
もう少しお話を聞きたかったのに……!
ふと視線を遠くにやると、黒い山のような物が見えるのでザンダ鉱夫長に聞いてみる事にした。
「ねぇ、あの遠くに見える黒いのは山?」
「あれは選炭場で出た、石炭ではない岩石などを捨てて山になったものなのです」
「山じゃないの……?!採掘した石炭の中に岩とかが交ざってしまうのね。それにしても山みたいになるのね……凄いわ」