【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
あの量から見て、炭鉱はここの現場だけではない感じがするのは気のせいかしら。
この現場だけで、あれだけの量の岩などが出てきたとは思えない。
それなのにハミルトン王国とはまったく石炭の取引を行っていないのに、採掘された石炭はどこへ行っているの?
この国で全て使っているようにも見えない。こんなに人が賑わっているのだもの、大きな取引先があるはずよ。
ヴィルの方を見ると視線が合い、同じ事を思っているようだった。
馬車から少し歩き、ようやく坑道入口に着いた私たちは、鉱夫長を先頭に坑内へ入っていく事にした。
「採炭した石炭は馬を使って引いていくのね」
地面に敷かれているレールの上に荷台が乗せられ、馬がそれをゆっくりと引いていた。
さっきは女性が背負っている姿も見たけれど、奥の方から大量に運搬する場合は馬で引いているのね。
それにしても――――
「中も暑いわ。これってもっと奥に進めば進むほど暑くなっていくの?」
「はい、もっと奥からは斜坑になっておりますので、地下へ潜れば潜るほど暑く……」
「ザンダ……!」
レジェク殿下が突然ザンダ鉱夫長に呼びかけるので、私たちは驚いて殿下の方へと視線を向ける。
「王族の皆様を最深部へ連れて行くのは危ないですから、斜坑の手前までにしましょう」
「そうですね!確かに最深部は危ないですし」