【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
私がビシエラ山の話に夢中になっていると、すぐそばにレジェク殿下が立っていたのだった。
全然気付かずに話していたわ……今の話、聞かれていた……よね?
「ビシエラ山が何だと言うのです」
「あ、いや、その…………」
私がまごまごしていると、ヴィルが何の躊躇もなく伝えてしまう。
「マリアが調べてくれたところによると、ビシエラ山はいつ噴火してもおかしくない状態らしいです。速やかに国として対策を練る事をお勧めしますが」
「……それは本当なのですか?マリア」
うっ…………そんな捨てられた子犬みないた目を向けないでほしい。
でもこれは国家としての一大事に繋がるのだから、伝えないわけにはいかないわよね。
「うん、本当なの。今日一日、調査してみて……私の聖力で少しは緩和出来たとは思うけど。この地震のような微動は神の鼓動ではなくて、ビシエラ山に溜まったエネルギーが動いているだけ。このまま神の鼓動で放っておいては民が――――」
「もし、あなたの言う事が本当だとして、どうしろと言うのです?!この国ではずっと、そう信じられていたものを……どう説明するのです。聖女がそう言ったからと言えば皆が信じるとでも?」
「それは……」
殿下があまりにも苦しそうに言うので、どう言えばいいのか言葉が見つからない。
私が言えば解決するような問題じゃないんだよね……私はこの国の人間でもないし、結局噴火が起きなければむしろ国を混乱させた聖女とされてしまう可能性も出てくる。
「レジェク殿下、マリアはこの国を心配して伝えただけだ。王族としてどうしていくかを決めるのはあなた方だ」
「言われなくとも考えます。あなた方にはこれ以上、我が国の事に口を出さないでいただきたいですね。失礼!」
殿下はそれだけ言い残して去っていってしまった。
もっとちゃんと伝えたかったんだけど、余計に混乱させてしまったのかもしれない、という気持ちでいっぱいになる。
「我々の出来る事は限られている、何かあれば彼らが対応するしかない」
落ち込む私にヴィルがそう言ってくれて、自分を納得させるしかなかった。
とにかく危険な状態である事は伝えたし、自分の出来る事をやるしかないのよね。
私はそのまま自室へと戻ったけれど、この時の廊下でのやり取りがオリビアたちに筒抜けだった事は、帰り際に知らされる事になるのだった。
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次からオリビア視点に戻ります!突然の水遊びにお出かけ編です^^
よろしくお願いいたします~~<(_ _)>