【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
きれいさっぱり治った自身の腕を見て、殿下は酷く感動している様子だった。
「本当に治りましたね……感謝いたします、聖女様」
「どういたしまして!そうやって素直に言える方がいいと思う。あと、私の事はマリアでいいので」
「マリア……ありがとうございます」
物凄く照れながらお礼を言っていたっけ。
人間、素直が一番よね!
そんな事を思い出しながら、ビシエラ山を見てきた感じと私の聖力で山のエネルギーを包み、少し散らせたのでしばらくは大丈夫だろうと皆に伝えたのだった。
「ありがとう、マリア!凄いわ!」
「ああ、さすがだな」
皆が喜んでくれて、今日一日の頑張りが報われた気分。
でも私は今日の事を全て話したわけではなくて、特にオリビアやソフィアたちにはいたずらに心配をかけるだけなので、ヴィルにだけビシエラ山の様子を伝える事にした。
「じゃあ、私は部屋に戻るね。ヴィルは私を送るべし」
「なっ、なぜ私が……!」
「ちょっと――か弱い女子を一人で歩かせるわけ?血も涙もないんだから!」
反論しようとするヴィルに腕を引きながら、こっそり”話がある”と伝えると、やはり優秀な王太子なのか察してくれて、渋々ついてきてくれたのだった。
――――パタンッ――――
扉が閉まる音と共に廊下に出て誰もいないのを確認し、さっそくヴィルにビシエラ山について話し始める。
「さっきは全部伝えなかったけど、ビシエラ山のエネルギーを全て散らせたわけじゃないから、危険な事には変わりないの。物凄い量のエネルギーだったから、本当に一部分だけ……多分私たちが滞在している間は問題ないとは思うけど」
「そうか……それはこの国の人にも伝えるのか?」
「うーん、でもきっと伝えても信じないわよね。レジェク殿下には伝えたいんだけど、あそこまで神の鼓動だと信じてるからなぁ。本当は火山のエネルギーが地中で動いてるだけなんだけど……それも回数が増してきたら危ないのにうっとりしてるくらいだし」
「何の話です?!」