【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「マリアが調べてくれたところによると、ビシエラ山はいつ噴火してもおかしくない状態らしいです。速やかに国として対策を練る事をお勧めしますが」
「……それは本当なのですか?マリア」
「うん、本当なの。今日一日、調査してみて……私の聖力で少しは緩和出来たとは思うけど。この地震のような微動は神の鼓動ではなくて、ビシエラ山に溜まったエネルギーが動いているだけ。このまま神の鼓動で放っておいては民が――――」
「もし、あなたの言う事が本当だとして、どうしろと言うのです?!この国ではずっと、そう信じられていたものを……どう説明するのです。聖女がそう言ったからと言えば皆が信じるとでも?」
「それは……」
2人の会話を聞いていて、まぁ、当然の反応だなと冷めた目で見つつ、少しマリアが不憫に思えたのでレジェクには同じ王族としての言葉をかける事にした。
「レジェク殿下、マリアはこの国を心配して伝えただけ。王族としてどうしていくかを決めるのはあなた方だ」
「言われなくとも考えます。あなた方にはこれ以上、我が国の事に口を出さないでいただきたいですね。失礼!」
レジェクとしてもどうする事も出来ない事実と現実に、あのような態度になってしまったのだろう。
マリアも落ち込んでいるが、我々に出来るのはここまでだ。
あとは当事者であるこの国がどうしていくのかを決めるだけ……隣国として、母上の母国でもあるから出来る限りの事はしてやりたいが、それもこの国がその現実を受け入れられなければ、何もしてやる事は出来ない。
それに少しは自分の父親がしている事にも異を唱える事が出来なくては、言われるがまま受け入れている状況ではどの道この国の未来は危うい。
「我々の出来る事は限られている、何かあれば彼らが対応するしかない」
マリアの肩をポンッと軽くたたき、ひとまず彼女を部屋へと送り届けてオリビアのもとへと戻っていったのだった。