【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「さっきは全部伝えなかったけど、ビシエラ山のエネルギーを全て散らせたわけじゃないから、危険な事には変わりないの。物凄い量のエネルギーだったから、本当に一部分だけ……多分私たちが滞在している間は問題ないとは思うけど」
あまりにもスケールの大きな話に、さすがの私も驚き固まってしまう。
オリビアたちがいる場ではあえてこの話をしなかったという事か。
ビシエラ山の危険を訴えたところで、いたずらに皆を不安にさせるだけと判断したのか……いつも直情的で何も考えていなさそうなのに、とつい思ってしまう。
マリアはマリアで色々と考えているのだな。
誰もが成しえない事を一人の少女がやってのけてしまうのだから、関心するしかない……聖女の力というのはそれほどまでに強力で得がたいものなのだろう。
確かに大司教が人生をかけて召喚したのも頷ける。
聖女のいる国は栄えると言うし、我が国が安定してきたのもマリアのおかげなのだろうな――――私も態度を改めるべきなのかもしれない。
「そうか……それはこの国の人にも伝えるのか?」
「うーん、でもきっと伝えても信じないわよね。レジェク殿下には伝えたいんだけど、あそこまで神の鼓動だと信じてるからなぁ。本当は火山のエネルギーが地中で動いてるだけなんだけど……それも回数が増してきたら危ないのに、うっとりしてるくらいだし」
確かにな。
伝えたところで嘘を振りまく聖女として怪しまれるだけか。
次の瞬間、マリアのすぐ近くからレジェクの声が聞こえてくる。
「何の話です?!ビシエラ山が何だと言うのです」
「あ、いや、その…………」
今の話、すっかり聞かれていたな。
レジェクは半分怒りの表情を見せているし、マリアは言いにくそうなので、私からハッキリと伝える事にした。
どの道内緒にしていたところでドルレアン国の為にはならない。