【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「馬車の中で動くな」
ゼフは子供に言って聞かせるようにそう言うと、ラスは子供扱いされた事が恥かしかったのか、顔がみるみる赤くなっていく。
「すみません」
ポツリと呟いた言葉をきちんと拾っていたゼフが頷く。
そしてその後はラスが立ち上がる事もなくなった……のだが、座りながらもお喋りが止まらないので、湖に着く頃にはゲッソリと疲れてしまったのだった。
そんな私の心を癒してくれたのは……頭にはストローハットを被り、無邪気に笑うオリビアの姿だった。
ブーツを脱ぎ、素足で湖畔へと駆けていく。女神のようだ。
我々は国賓として来ているのだから、もう少し旅行気分を味わわせてあげたいと思っていたので、ここに来て良かったなと思いつつ彼女のもとへ歩いていった。
子供たちは湖畔で水をかけ合いながら遊んでいる直ぐ近くで、オリビアとマリアが砂を使って何かを造形している。
「何を作っているんだい?」
「一応お城なんだけど……なかなか難しいものね」
「城……」
そう言われてみれば見えなくもない。
オリビアの作るものは大胆でスケールが大きいな。
負けていられないと自分も城作りに没頭し始めた……時折水も交えて砂を固め、細部まで作り込んでいく。
するとオリビアから「こういうのやった事あるの?」と声をかけられた。
「いや、初めてだ」
「そうよね……それにしては凄すぎない?」