【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
何度も襲い掛かる衝撃に、まともに会話する事もままならない。
イザベルとニコライ様も同じ状態の中、マリアだけがその場に立ち、涼しい顔をしていた。
彼女の体は光り輝いているので、彼女がこの状況を作っているのよね……。
何をしようとしているのか分からないけれど、マリアを信じると決めたのだから、最後まで信じるわ……!
神殿に衝突していた岩石は、やがて天井を突き破り、神殿内には次々と落石が降りそそいでいった。
神殿自体もどんどん崩れていくわ……落石に逃げ惑う人々。
私は映画のワンシーンを見ているようで、とても現実とは思えない状況に見ている事しか出来なかった。
その間もドンッ!!!ドオンッ!!と衝撃はとどまることなく繰り返される。
『皆の者!!これはこの国の王であるフィラメル国王への神の怒りに他ならない!!!よく見ていなさい!!!』
マリアが声を上げた瞬間、落石は国王夫妻目掛けて落ちていく。
「「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!!」」
大きな衝撃音と共に落ちて来た幾つもの岩石は、国王夫妻目掛けて落石していった。
もはやそ誰も止めに入る事など出来ない。
直後に衝撃は収まり、少しの微動、そして辺りは砂煙が舞い上がり、周りがよく見えない中、私とヴィルはしがみついた服や手の感触だけでお互いの生存を確かめながら声をかけ合った。
「オリビア!大丈夫か?!ケガは?」
「ゴホッ……私は大丈夫……それにしても、私たちの周りにほとんど落石していないわ」
私の言葉にヴィルが辺りを見回した。
「そのよう、だな……」