目と目を合わせてからはじめましょう
 「うーん。うん?」

少しだけ、胸の上が軽くなった。
やっと、起きたのでしょうか? 
もう、私の体は動きません。声も出ません。


雨宮は、起き上がって辺りを見回す。何が起きているのかわからないのだろう。


「あっ、あの……」

やっとの思いで出した声は、掠れててほとんど声になっていない。

「えっ?」

雨宮と目が合った。

「ああーーー」

状況がわかったのか、わからないのか知らないが、雨宮は声を上げると、そのまま頭を下げた。

「もうしわけない!」

私の股の間で…… 土下座した。
私の股に向かって土下座した。

「どっ どいて…… 」

必死の思いで声にする。


慌てて顔を上げた雨宮は、動きを止めてしまった。

見てるよね? 私のパンツ。
スカート捲り上げて、足開いていたら、見えますよねパンツ。

「いやあああ」

掠れた声に、雨宮は正座したまま後ろに下がっていった。

やっと、足を動かせる。

えっ?
動かないよ、足……

ちょっと動かすだけで、股関節が裂けるように痛い。

足が閉じない。起き上がろうとするだけで、背中に激痛が。

スカートおろしたくても、手が届かない。

うわーーん
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