目と目を合わせてからはじめましょう
 「それほど驚く事か?」

 「驚くよ。 先に言ってよ。ていうか、プロポーズ? お義母様の前で?」

 「嫌なのか?」

 「嫌じゃないけど」

 「じゃあ、よろしくな」

 雨宮が、驚いている私の手を取った。その手に何かが置かれて、目を向ける。

 「えええーーー」

 またもや、墓の前で悲鳴をあげてしまった。

 「驚きすぎだ。開けてみてくれ」

 ゆっくりと、手のひらにおかれた小さな白い箱を開ける。

 その中には、光り輝くリングが入っていた。


 「うわー 凄い」

 雨宮が、箱の中からリングを取り出すと、私の左手をとり薬指にそっと嵌めた。見事にピッタリ。

 「私でいいの?」

 「ああ。咲夜しかいないだろ?」

 私は、雨宮の首に抱きついた。雨宮も、ぎゅっと抱きしめてくれた。お墓の前だけどね。

 あまり一般的ではないプロポーズだけど、雨宮らしいというか、雨宮なりの誓いでもあるのだろう。それが、私には、凄く嬉しかった。



 春になり、大お爺様の法要の時期が来た。

 相変わらず、大爆笑をする大お爺様の遺影の前に座る

 なんだか、いつもの年と違う気持ちで遺影を見つめて、手を合わせた。


 「本当に、楽しそな顔をしているわよね」

 「あっ。友梨佳叔母さん。お久しぶり」

 友梨佳叔母さんも、私の隣に座り遺影に手を合わせた。
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