目と目を合わせてからはじめましょう
 マッサージルームに案内されると、海の見える開放的な部屋にベッドが置かれていた。

 「これにお着替え下さい」

 エステシャンに渡されたのは、白い紙パンツだった。人生初の紙パンツ。
 仕方なく履き替えると、ベッド上にうつ伏せになった。

 「準備はよろしいですか」

 カーテンの外からの声に、返事を返す。


 大きなタオルを背中にかけらると、肩のあたりをグッと押される感じがあった。

 「凝ってらっしゃいますね。ゆっくりほぐして参りますね」

 「そうですか。お願いします」

 確かに気持ちいい。体の力が抜けていく感じがする。

 指圧マッサージ? 紙パンツになる必要なんてあったのだろうか?


 カーテンの開く音がしたが、特に気にもしなかった。何故かというと、頭の方を別のエステシャンがマッサージし始めたからだ。別のエステシャンがカーテンを開けて入って来たのだと思った。

 確かに疲れていたのは認める。まあ、変な疲れだが。俺は迂闊にもウトウトし始めてしまった。


 どのくらいたったのだろうか?

 「横向きになっていただけますか?」

 肩をトントンと叩かれ目が覚めた。

 「あ、はい」

 言われたとおり、ぼーっとしたまま横向きになった。

 うん?

 どういうことだ?


 横向きになったと同時に、目が合った。

 どこかで見た顔だ。

 「ええーー」

 悲鳴を上げたのは、彼女も同時だった。

 いつの間にか、俺の背中にかけられていたタオルは無くなっており、紙パンツ一枚だった
 
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