少女たちの秘密
テュルルル テュルルル

「もしもし」

「ああお父さん。今朝、陽央子が学校に着いていないらしいの」

「えっ? 分かった。申し訳ない。うん」

カチャン
しばらくして、ピンポーン。玄関のチャイムが鳴った。

「申し訳ありませんー。埼玉県警の者ですぅ」

!!
陽央子の母親が玄関に出ると

「ここいら一辺の不審者の情報を、調査しております。ええっと村田さん、という事は? あっ失礼しました。村田署長の奥さんでしたか。」

「ええ、一応」

「実は、行方不明の娘さんの事で。念のために伺いますが、今朝、娘さんに何か変わった様子は?」

「それが特に何も」

「では、事故と事件両方の視点で、引き続き捜索を重ねて行く次第であります」

「申し訳ないわね。」

「いえ、では」

警察が立ち去った後
はぁーやったわ。もう少し気を付ければいいものを。でも、事が起こってからは、こうよ
陽央子の母親は、預金通帳の額を眺めて
この額じゃ足りないかも知れないわね。


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