少女たちの秘密
「ねえ、お嬢ちゃん」

「なあに?」

「お兄さんが、恐く無い?」

「別に」

「ランドセル、重かったら下ろしていいんだよ」

「いや。ランドセルは大事だもん」

「ふーん。そう。ちょっとお腹空かない? お兄さんコンビニ行って何か買って来るから」

男が部屋の鍵を掛け、そそくさと表へ出て行った
女の子ーーー陽央子が辺りを見回すと
大きなビル、だけが窓の外に見えた。おそらくマンションの一室、部屋は太陽の位置からすると、西向き? の感覚

学校へ行こうとしていた。珍しい木の葉が落ちていた。ちょっとだけ寄り道をしようと思っていた。友達のサキちゃんと合流する、曲がり角まで
急に、誰かに巻き付かれた。

「オ◯ム! オ◯ム!」

と叫んだら、口も押さえられた。気絶 !!!
気付いたら、町工場の音。車で、逃げられそうに無いので、しばらく気付かないふりをしていた
それから20分ぐらい…目的地に着いた男が、声をかけ、やっと起きた
変な部屋へ、連れ込まれた。誘拐専用の、部屋なのだろうか?

余り生活感の無い部屋。

陽央子は、ランドセルを下ろして、仕方なく傍らにちょこんと置いた

何だかお腹が痛いし、何も食べる気にはなれない
男が戻って来た。適当にサンドイッチやら何やらを、ポイポイ投げて来る
陽央子は、黙ったままサンドイッチを少し食べた。毒とかは入ってい無さそう

「お家に帰りたい」

「もうちょっとお兄さんと一緒に居ようよ」

「別に」

さっき手紙を書いた。部屋に落ちてる、適当な紙。紙飛行機にして、飛ばした

『小学校二年生です。
ゆうかい されています。
7階ぐらいの西向きの部屋です。
助けに来て下さい』


「ねえねえ、学校で何流行っているの」

「…あのね、お兄さん」

「?」

「ブス」

!!
もう一回気絶させられたような気がした。


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