婚前どころか、フリですが ~年下御曹司?と秘密の溺甘同居~
翔くんにしては賢明な判断をしてくれて良かった。こんな誰に見られてるか分からない所で…あ、
「栞さん…!」
「小春さん!! おめでとうございます!」
「おい、今まで黙って見てたなら最後まで出てくるなよ」
栞さんのことを置いてけぼりにして、私ってば恥ずかしいことたくさん言った…!
翔くんはまだ抱擁を解く気がないみたいだし、相変わらず栞さんに対しては辛辣。
「はいはい、帰るわよ、うるさいなぁ。 小春さん、またお会いしましょう」
「う、うん。 ごめんね、またね!」
こんな、抱きしめられたまま見送ってごめん…!
「翔くん! ちょっといい加減離して!」
「小春さんが抱きしめてほしいって言ったんじゃないですか」
「そ、そうだけど…! もういいから、大丈夫だから!」
ぐいぐいと胸を押して抗議していたら、渋々解放してくれた。
「家に、また帰ってきてください、小春さん」
「…はい。 え、今から?」
「今もこれからもずっとです」
言うなり、彼に唇を奪われる。新しい年、始まりの季節に、私たちは生涯を誓い合った。
自分で掴んだ幸せの道。もう何も怖いことなんてない。翔くんを知って、好きになって、確かな未来を約束したのだから。
満開の桜並木、まるで祝福するように、花びらが優雅に舞い落ちていた。
完
「栞さん…!」
「小春さん!! おめでとうございます!」
「おい、今まで黙って見てたなら最後まで出てくるなよ」
栞さんのことを置いてけぼりにして、私ってば恥ずかしいことたくさん言った…!
翔くんはまだ抱擁を解く気がないみたいだし、相変わらず栞さんに対しては辛辣。
「はいはい、帰るわよ、うるさいなぁ。 小春さん、またお会いしましょう」
「う、うん。 ごめんね、またね!」
こんな、抱きしめられたまま見送ってごめん…!
「翔くん! ちょっといい加減離して!」
「小春さんが抱きしめてほしいって言ったんじゃないですか」
「そ、そうだけど…! もういいから、大丈夫だから!」
ぐいぐいと胸を押して抗議していたら、渋々解放してくれた。
「家に、また帰ってきてください、小春さん」
「…はい。 え、今から?」
「今もこれからもずっとです」
言うなり、彼に唇を奪われる。新しい年、始まりの季節に、私たちは生涯を誓い合った。
自分で掴んだ幸せの道。もう何も怖いことなんてない。翔くんを知って、好きになって、確かな未来を約束したのだから。
満開の桜並木、まるで祝福するように、花びらが優雅に舞い落ちていた。
完


