美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
「神崎君からですか?」
「え?違うわ。名取社長と先日会ったの」
苦笑いをしている。
「本当にごめんなさい。知ってると思いますが彼との縁談はなくなりました」
こちらをじっと見た。
「最初はね、彼との縁談を父から提案されて、久しぶりに彼のことが気になった。私も学生時代に彼から無視されていたし、恋愛にまるで興味のなさそうだった彼が、最近になって女性を連れて歩いていると古い友人から聞いて本当に驚いたの。しかも聞けば相手も花屋。私だってこれでも花屋。悪いけど、名取君を利用させてもらった」