美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 私は昨日の彼の姿を思い出した。そう、何しろ最初俳優さんだと思ったんだから、そのくらい美しい。

 そして、あのラウンジでの姿。自信満々で私に見せた笑み。皇子どころか王様に見えた。

「その通りよ。付け加えるなら、自信に満ちた経営者だったわ」

「そうだろうな。実は執事の椎名君からも聞いたんだが、どうやら彼の能力はここだけの話、父親である社長以上かもしれないと言っていた」

「そうなの?」

「ああ。このベリが丘の発展には貿易をつかさどる彼の会社の力は計り知れない。きっと色んな行事に協賛するよう頼まれているはずだ」
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