20年前のあの事件を忘れない。
 20年前の4月、ぼくは事情止む無く障碍者施設に転がり込んでお世話になることになった。
 その施設には様々な障碍者が居た。
その中で事件は起きた。

 5月も終わる頃だったか、、、、。
 入浴を済ませたぼくは部屋に帰ってきてお茶を一口飲んだ。
 毎朝、毎昼、職員が水筒に入れて居室に配ってくれているお茶だ。
「ん?」 その日のお茶は何か変だった。
 洗剤のような、漂白剤のような味がする。 そして泡立っている。
水筒も触ってみるとベタベタしている。

 夕食後にやっと職員を捕まえて話をした。
聞いてくれたのはお茶を入れてくれていた人だった。
 水筒を確認したその人は創設者にも話をしたから園内は大騒ぎになってしまった。
 それでも犯人は見付からない。
「俺に任せておけ。」と偉そうに言っていた創設者も動こうとはしない。
 その中で理事長がぼくに噛みついてきた。
「あんたが自分でやったんだろう?」ってね。
 洗剤を誤って飲んだらどうなるかくらいは知ってるよ。
 それを承知で噛み付いてきたのかな?
 疚しいことをすると異常に態度が大きくなるよね。
 やったんだって決めつけてくる辺り、臭いよねえ。
 結局さ、理事長も事務長も創設者もグルだった。
 取り合えず警察に被害届を出させてもらったよ。
次に事件が起きた時に警察が動けるようにね。
 でも怖いねえ。
障碍者施設で殺されかけるなんて、、、。
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