キミに「好き」だと伝えたい


コルク玉は全部で3発。チャンスはわずか3回のみ。


白クマのぬいぐるみは景品棚の下段ではなく、上段の高いところにあるから難しそうだけど。


海、頑張って。


私は海のそばで、彼のことをじっと見守る。


──パン!


1発目は、外れてしまった。


「くそっ。次……!」


2発目は目当ての白クマにコルク玉が当たるも、倒れず。


ああ。海、惜しい。


「惜しかったな、兄ちゃん。あと1回だよ」

「分かってる。次こそは、絶対に倒します」


悔しそうな表情で屋台のおじさんに宣言する海の頬には、汗が伝う。


次が、最後。


景品を真っ直ぐ見つめる海の真剣な横顔に、私は溜まった唾をゴクリと飲み込む。


両手を胸の前で組み、私は『次こそは当たりますように』と心の中で祈る。


そして……。


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