キミに「好き」だと伝えたい


私が立ち止まってしまったからか、海に聞かれてドキッとする。


中学3年生にもなって、ぬいぐるみが欲しいだなんて。


海に、子どもっぽいって思われちゃうかな?


「う、ううん! ちょっと見てただけ……」


私は否定し、歩きだそうとするが。


「あのクマ、純夏が小さいときからずっと好きなやつだろ? すいませんー!」


海は迷うことなく射的の屋台へ向かい、屋台のおじさんに代金である300円を渡す。


「ちょっと、海!?」


おじさんから射的銃と3発のコルク玉を受け取った海は、白クマのぬいぐるみへと銃を向ける。


「あのぬいぐるみ、俺が絶対に取ってやるよ」


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