愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
「その。
毎回、迎えに来てもらわなくても現地待ち合わせで大丈夫ですが……」

宣利さんの運転で、街にあるツインタワーへと向かう。
車で五分程度の距離だが、一度帰ってきてまた出るのは面倒じゃないんだろうか。

「んー?
僕が花琳を迎えに来たいだけなんだが……ダメかい?」

ちらっと眼鏡の奥から、彼の視線が私へ向かう。

「えっと……」

「それに花琳を待たせたりしたくないからね。
やっぱり迎えに帰るよ」

「はぁ……」

なんだかよくわからないが、宣利さんがいいならいい……のか?

夕食はVIP専用レストランでイタリアンだった。
最初に来たときは高級すぎて気後れしたが、そのうち慣れた。
というか値段を気にしないようにした。
メニューに価格を書いていないから、初めのうちはいくらするんだろうと戦々恐々としたものだ。
しかし宣利さんの収入からいってきっとたいしたことないんだろうなと、割り切るようにした。
とはいえ、今でも値段を知るのは怖いけれど。

「もう二度と、姉さんから呼び出しはこないと思うよ」

前菜代わりのナスとモッツァレラチーズのトマトソース焼きを食べながら、顔が上がる。

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