愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
上級階級の血を入れたいのなら、四大財閥で戦後解体されたとはいえ、今でも権勢を誇っている家のほうがいいんじゃないだろうか。

「そのー」

なにやら先ほどよりもさらに言いにくそうに父親が口を濁す。
なかなか言わない彼に痺れを切らしたのか、宣利さんが口を開いた。

「私から説明します。
そういう卑屈な曾祖父ですので、上流階級の血を入れたいと言いながら、相手にしてもらえると思ってないんですよ」

父親とは違い、宣利さんははっきりとものを言う。

「それで失礼ながら、もう落ちぶれているそちらの家なら金の力でなんとでもできると思ったのです」

その理由は非常に腹立たしく、カチンときた。
父の会社のためなら結婚してもいいと思っていたが、こんな考えの家に嫁いだって先が思いやられる。

「私自身はこんな老人の妄執による戯言に付き合う必要はないと思っています」

きっぱりと宣利さんが言い切り、ついその顔を見ていた。
賛成だからこそ、ここの場にいるのだと思っていた。

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