愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
「いえ……」

とか言いつつ、うとうとしてしまう。
さっきも座って準備が済むのを待ちながら、彼に寄りかかってうたた寝をしていたくらいだ。

「もう少しだけ辛抱してくれ。
そうしたらあとはしばらく、寝ていていいから」

「……はい」

返事をしながらも頭ががっくんがっくん揺れる。
いつもならそろそろお昼寝タイムだから仕方ない。

車は少しだけ走って、近くのホテルに入った。
チェックインを済ませ、最上階の部屋に案内される。

「今日はここにお泊まり」

部屋は広く、きっと上ランクのスイートなんだと思う。

「うわーっ」

正面の窓の外には海が広がっている。
右手奥には先ほど港で見た、船が見えた。

「ここからならゆっくり、花火が見られるだろ?」

「ありがとうございます!」

大興奮でお礼を言っていた。
こんな素敵なサプライズ、あっていいのかな。

「いっぱい頑張った、花琳にご褒美」

ふふっと小さく笑い、宣利さんが口付けを落としてくる。

「これってこのあいだ約束した、ご褒美デートですか?」

典子さんの嫌がらせに耐えたご褒美をくれるというので、デートのお願いをした。
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