愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
こうして、私たちの結婚が決まった。

帰りの車の中で父に感謝された。

「お前にはすまないことをしたと思っている。
でも、これで従業員が救われる。
ありがとう」

「やだな、お父さん。
これって玉の輿だし、それに宣利さんかなりのイケメンだったから返ってラッキーだよ」

湿っぽくなりそうな空気を笑って吹き飛ばす。
無意識だろうが今日もこのあいだも父は〝会社が〟ではなく〝従業員が〟と言った。
会社ではなく働く人ファーストな父が誇らしい。
だからこそ、この結婚を決めたのだ。

こうして私は二十五になってすぐ、結婚を決めた。



結婚が決まってすぐの打ち合わせで、宣利さんに言われた。

「曾祖父が亡くなったら離婚する。
君もそのつもりで」

「……ハイ?」

話があると来たカフェ、紅茶を飲みながら首が斜めに傾く。

「曾祖父のためとはいえ僕にとってこの結婚は不本意だし、君もそうだろう?」

「そう……ですね」

お見合いの席で薄々思っていたが、宣利さんは思ったことをはっきりと言うタイプらしい。

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