愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
私なんか、間違った?
やり過ぎないようにだけ祈っておこう……。

私の髪を撫でる、宣利さんの手が気持ちいい。
ようやく、心の底から安心できる気がする。
……でも。
私にはもうひとつ、心配事項があるのだ。

「宣利さん」

「ん?」

「もし。
もしも」

そこまで言って、止まる。
結果としてそうはならなかった。
なら、聞かなくていいんじゃないのか。
けれど口は、勝手に動いていく。

「子供がダメになっていたら、どうしていましたか」

途端にぴたりと彼の手が止まる。
ずっと不安だった、子供がいなくなれば彼の心は私から離れていくんじゃないか。
結果として無事に……とは言いがたいが、それでも子供は生まれた。
気にしなくて言い、わかっているけれど不安な心は尋ねてしまう。

「子供がいようといまいと、僕の花琳に対する愛は変わらないよ」

安心させるように彼が私に微笑みかけ、手を握った。

「本当に?」

不安な気持ちは彼の気持ちを信じさせてくれない。

「ああ、本当だ。
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