愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
こんなことを言うと軽蔑されそうだけれど、花琳がここに運び込まれたとき、子供はいいからとにかく花琳を助けてくれとドクターに縋っていたよ」
そのときを思い出しているのか、彼の顔が苦しげに歪んだ。
「花琳を失ってしまったらと思うと、怖くて怖くて堪らなかった」
私の手を掴む彼の手に痛いくらい力が入る。
それだけ彼が、恐怖にさいなまれていたのだと感じさせた。
「僕はね、花琳」
指を絡めて手を握り返し、宣利さんがレンズ越しに目をあわせてくる。
「花琳を失ったら生きていけない。
もし花琳が死んでいたら、あとを追っていたよ。
だから僕より先に絶対に死なないと約束して。
子供の、ためにも」
眼鏡の奥から私を見つめる瞳は、どこまでも真剣だ。
宣利さんは狡い。
子供を盾に取られたら、嫌だとは言えなくなる。
でも、そこまでの愛は私の心を満足させていた。
「宣利さんを残して、死んだりしません」
きゅっと彼の手を握り返す。
「でも、宣利さんも長生きしてくださいね。
私は子供のためにあとを追ったりできないので」
「うん、それでいいよ」
眼鏡の向こうで目尻が下がる。
そのときを思い出しているのか、彼の顔が苦しげに歪んだ。
「花琳を失ってしまったらと思うと、怖くて怖くて堪らなかった」
私の手を掴む彼の手に痛いくらい力が入る。
それだけ彼が、恐怖にさいなまれていたのだと感じさせた。
「僕はね、花琳」
指を絡めて手を握り返し、宣利さんがレンズ越しに目をあわせてくる。
「花琳を失ったら生きていけない。
もし花琳が死んでいたら、あとを追っていたよ。
だから僕より先に絶対に死なないと約束して。
子供の、ためにも」
眼鏡の奥から私を見つめる瞳は、どこまでも真剣だ。
宣利さんは狡い。
子供を盾に取られたら、嫌だとは言えなくなる。
でも、そこまでの愛は私の心を満足させていた。
「宣利さんを残して、死んだりしません」
きゅっと彼の手を握り返す。
「でも、宣利さんも長生きしてくださいね。
私は子供のためにあとを追ったりできないので」
「うん、それでいいよ」
眼鏡の向こうで目尻が下がる。