愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
「その。
つい、作り過ぎちゃったんです!
だから、食べてくれると嬉しいなー、……なんて」

必死に挽回を図ったが、眼鏡の奥からこちらを見る冷たい目にたじろいだ。
おかげで最後は小さな声になって消えていく。

「……はぁーっ」

さらに彼にため息をつかれ、びくりと身体が震えた。

「わかった。
食べるからそんな目で見るな」

「え?」

そんな目と言われても、自分がどんな目で彼を見ているのかわからない。

「着替えてくる。
あれだったら先に食べていてもいい」

私の脇をすり抜け、宣利さんは自分の部屋へと向かった。

「あっ、じゃあ温めておきますね!」

閉まるドアに向かって声をかけ、私もキッチンへ行って料理を温め直す。
とりあえず、食べてくれると言った。
それだけで一歩前進だ。

そのうち、着替えた宣利さんがダイニングに来た。

「お口にあうかわかりませんが」

ご飯をよそい、温めた料理と一緒に並べる。
椅子に座った彼は、無言で食べ始めた。
私も前に座り、食事を口に運ぶ。

……き、気まずい。

誘っておいてなんだが、無言の食卓は精神に堪える。

「その。
お味は、どうですか?
薄かったり濃かったりしないですか」
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