愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
【わざわざ持ってきていただかなくても、送っていただければいいですが?】
そうだ、別にそんな手を煩わせる必要はない。
それこそ合理主義の宣利さんは嫌がりそうなのに、なんで?
【直接会って渡したい。
いつ、都合がいい?】
なんで彼がそこまで拘るのかわからないが、若干苛ついている空気を感じ取ったので、都合のいい日を送る。
そのまま会う場所を決めてメッセージは終わった。
「ほんと、なんなんだろう?」
あの人の考えることはわからない。
離婚前も、した今も。
待ち合わせはホテルのラウンジだった。
「こっちだ」
スタッフに声をかけられたところで、先に店内にいた宣利さんが手を上げる。
それだけで酷く絵になって、周囲の視線を集めていた。
「お待たせしてすみませんでした……」
時間には十分に余裕を持って起きるつもりでアラームはかけたが、案の定二度寝した。
おかげで待ち合わせ時間を三十分も過ぎている。
「いや。
おかげでひと仕事する時間ができた」
これは嫌みなのかフォローなのか彼は真顔だから判断できない。
「なにか飲むだろ」
「そうですね……」
渡されたメニューを開く。
そうだ、別にそんな手を煩わせる必要はない。
それこそ合理主義の宣利さんは嫌がりそうなのに、なんで?
【直接会って渡したい。
いつ、都合がいい?】
なんで彼がそこまで拘るのかわからないが、若干苛ついている空気を感じ取ったので、都合のいい日を送る。
そのまま会う場所を決めてメッセージは終わった。
「ほんと、なんなんだろう?」
あの人の考えることはわからない。
離婚前も、した今も。
待ち合わせはホテルのラウンジだった。
「こっちだ」
スタッフに声をかけられたところで、先に店内にいた宣利さんが手を上げる。
それだけで酷く絵になって、周囲の視線を集めていた。
「お待たせしてすみませんでした……」
時間には十分に余裕を持って起きるつもりでアラームはかけたが、案の定二度寝した。
おかげで待ち合わせ時間を三十分も過ぎている。
「いや。
おかげでひと仕事する時間ができた」
これは嫌みなのかフォローなのか彼は真顔だから判断できない。
「なにか飲むだろ」
「そうですね……」
渡されたメニューを開く。