愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
だいたい、向こうの両親からは祖父のために結婚してくれてありがとうと感謝されて……待って。
亡くなって、事情が変わった?
それはありうる。
隣に座る宣利さんの顔をじっと見上げる。
「ん?」
視線に気づいたのか、彼が少し首を傾けた。
「なんでもないです。
お母さん、手伝うよ」
笑って誤魔化し、ソファーを立つ。
宣利さんは常に真顔だからなにを考えているのかうかがうのが難しい。
しかし少なくとも、私から妊娠を聞くまでは復縁を考えている素振りはなかった。
ならやはりこれは、口からの出任せなのだ。
お茶が入り、テーブルの上にケーキとともに並べる。
私のつわりは眠いだけで、吐き気はほぼないのがラッキーだ。
「美味しそうね」
母は喜んでいるが、超一流ホテルで売られているケーキだ、美味しいに決まっている。
「じゃあ、花琳と宣利さんは復縁するんですね?」
ケーキには手をつけず、父はおそるおそるといった感じで聞いてきた。
「やだな、お義父さん。
敬語はやめてくださいよ」
宣利さんが父の敬語を止めてきたが、今までずっとこうだったのだ。
なのにいまさら、どうして?
亡くなって、事情が変わった?
それはありうる。
隣に座る宣利さんの顔をじっと見上げる。
「ん?」
視線に気づいたのか、彼が少し首を傾けた。
「なんでもないです。
お母さん、手伝うよ」
笑って誤魔化し、ソファーを立つ。
宣利さんは常に真顔だからなにを考えているのかうかがうのが難しい。
しかし少なくとも、私から妊娠を聞くまでは復縁を考えている素振りはなかった。
ならやはりこれは、口からの出任せなのだ。
お茶が入り、テーブルの上にケーキとともに並べる。
私のつわりは眠いだけで、吐き気はほぼないのがラッキーだ。
「美味しそうね」
母は喜んでいるが、超一流ホテルで売られているケーキだ、美味しいに決まっている。
「じゃあ、花琳と宣利さんは復縁するんですね?」
ケーキには手をつけず、父はおそるおそるといった感じで聞いてきた。
「やだな、お義父さん。
敬語はやめてくださいよ」
宣利さんが父の敬語を止めてきたが、今までずっとこうだったのだ。
なのにいまさら、どうして?