愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
「お義父さん、ご無沙汰しております。
また、離婚のときはご挨拶にも伺わず、申し訳ありませんでした」
宣利さんが父へ頭を下げる。
「あっ、いえ。
そちらもご都合がおありでしょうし」
慌てて父が宣利さんへ頭を下げ返す。
父は宣利さんに敬語だが、向こうのほうが立場が上というのはやはりあるらしい。
「宣利さん、花琳ちゃんを迎えに来てくれたんだって」
「……は?」
キッチンで宣利さんにもらったケーキをお皿に並べながら、母が会話に加わってくる。
復縁の話をしたのはいいが、どうして迎えに来たことになっている?
「はい。
僕の都合で一度は離婚という形を取らせていただきましたが、準備が調いましたので花琳さんを迎えにあがりました」
「……は?」
真顔で嘘を吐く人を初めて見た。
というか宣利さんが嘘を吐くのが意外すぎる。
「宣利さん、お家の方に花琳ちゃんと別れろって随分言われてたらしいの。
それで花琳ちゃんを守るために一度、離婚したんだって」
「お義母さん、それは言わない約束ですよ」
慌てて宣利さんは母を止めて見せたが、それは完全にポーズだった。
初めから母の口から言わせるつもりで道中話していたのだろう。
また、離婚のときはご挨拶にも伺わず、申し訳ありませんでした」
宣利さんが父へ頭を下げる。
「あっ、いえ。
そちらもご都合がおありでしょうし」
慌てて父が宣利さんへ頭を下げ返す。
父は宣利さんに敬語だが、向こうのほうが立場が上というのはやはりあるらしい。
「宣利さん、花琳ちゃんを迎えに来てくれたんだって」
「……は?」
キッチンで宣利さんにもらったケーキをお皿に並べながら、母が会話に加わってくる。
復縁の話をしたのはいいが、どうして迎えに来たことになっている?
「はい。
僕の都合で一度は離婚という形を取らせていただきましたが、準備が調いましたので花琳さんを迎えにあがりました」
「……は?」
真顔で嘘を吐く人を初めて見た。
というか宣利さんが嘘を吐くのが意外すぎる。
「宣利さん、お家の方に花琳ちゃんと別れろって随分言われてたらしいの。
それで花琳ちゃんを守るために一度、離婚したんだって」
「お義母さん、それは言わない約束ですよ」
慌てて宣利さんは母を止めて見せたが、それは完全にポーズだった。
初めから母の口から言わせるつもりで道中話していたのだろう。