愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
「僕は僕の可愛い花琳を着飾らせたいんだ。
まあ、僕の趣味だから気にするな」

「は、はぁ……?」

僅かに頬を赤く染め、この人はいったいなにを言っているんだ……?
そういえば前は人前で必要に駆られたとき以外は絶対に名前で呼ばなかったのに、復縁が決まってからは花琳と名前で呼んでいる。
これはどういう変化なんだろう?

まだ他に説明するところがあるからとウオークインクローゼットを出て、今度は隣のドアを宣利さんは開けた。

「大浴場はあるんだが、ここでも入れるようになってる」

入った空間は洗面所になっていた。
リフォームしたらしく、新しそうに見える。
しかし木目の台に白い陶器製の洗面ボールはヨーロッパの古い屋敷のイメージで、お洒落だ。
洗面ボールの隣は広い台になっており、どうもここを鏡台として使う仕様らしい。
洗面台の反対側は浴室になっていた。
洗面台とお揃いらしく、木目パネルの壁に白の浴槽となっている。
こぢんまりといっても昔訪れた、ひとりぐらしをしている友人のマンションにあった浴室くらいはある。
さらに隣にはトイレまでついていた。

「まあ、好きに使ってくれ」

「はぁ……」

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