愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
「そうか。
疲れただろ?
あれだったら寝てもいい」

「そう……ですね」

いつもならお昼寝の時間でそろそろ眠くなってきていた。
お言葉に甘えてもいいかな。

「じゃあ、少し……」

そのタイミングで宣利さんの携帯が鳴った。
画面を見た彼が、若干不機嫌そうになる。

「どうした?」

このまま立って勝手に部屋に戻るわけにもいかず、電話が終わるのを待つ。

「は?
お帰りいただいて」

聞こえる会話から、住宅地へ入るゲートの守衛さんではないかと推測できた。
どうも、招かれざる客が来たようだ。

「あー、そうか……。
わかった、通して。
こちらの守衛には僕から連絡しておきます」

一度電話を切り、少し操作して宣利さんはまた携帯を耳に当てた。

「姉さんが来るから通して。
よろしく」

通話を終えた途端、彼は当たりを真っ黒に染めそうなほど憂鬱なため息をついた。

「花琳、ごめん。
姉さんが来る」

テキパキと宣利さんがテーブルの上を片付けはじめる。

「あ、それくらい私がやりますので!」

「いいよ、食器を下げるくらい僕だってできる」

けれど彼は私を止め、さっさと片付けてしまった。

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