愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
「しまったな、茶菓子がない……。
なんで突然来るかな、姉さんは……」

それでもテーブルくらいは拭こうとキッチンへ行く。
そこでも宣利さんはまた、大きなため息をついていた。

「あ、花琳。
花琳は部屋に……」

そこまで言ってなにかに気づいたのか彼が止まる。

「それでか」

再び彼は面倒臭そうに大きなため息をついた。

「花琳。
悪いけど僕が買った服に……」

しかし言い終わらないうちに玄関のチャイムが鳴る。

「そんな時間もない、か。
はいはい、今行くよ」

「あっ」

私の手を掴み、強引に彼が歩き出す。

「僕にあわせて。
花琳は僕と違って空気が読めるから大丈夫だと思うけど」

歩きながら言われ、なにか考えがあるのだろうと頷いておいた。

「はい」

「もう!
暑い中、いつまで待たす気?」

宣利さんが鍵を開けた途端、待ち切れなかったのか向こう側からドアが開く。

「すみません、姉さん」

入ってきた典子さんに宣利さんは詫びているが、別に数分も待たせていない。

「あら、花琳さん。
いたの?」

嫌らしくにたりと典子さんの目が歪む。
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