愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
「わ、わかったわよ」

それで負けを認めたのか、典子さんは急におとなしくなった。

とはいえ、お茶もなくこの変な場を凌ぐのは至難の業に等しく。
それに少しでもこの姉弟喧嘩……になるのかわからないが、とにかくこの喧嘩から離れたい。

「あの。
私、お茶を淹れてきますね」

そろりと腰を浮かせる。

「だから姉さんにお茶なんて出さなくていいから」

しかしすぐに、宣利さんに止められた。

「いえ。
私が喉が渇いたのでついで……というか」

適当に笑って誤魔化し、立ち上がろうとする。

「じゃあ、僕が淹れてくるから花琳は座ってて。
あ、姉さん。
花琳に不快な思いをさせたら、すぐに摘まみ出すからね」

「あっ……」

私が完全に立つよりも早く、宣利さんは立ち上がってキッチンへ行ってしまった。

……き、気まずい。

典子さんは私をよく思っていない。
結婚はお金目当てだと思われていたし、さらに邪魔だと思っている弟の妻だからそうなる。
一族としても会社としても次のグループCEOは宣利さんに期待が集まっているが、典子さんはそれが気に食わないらしい。

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