煙草を吸う女
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さて、そこからというものの沢口の様子が気になって仕方なかった。沢口さんは八歳上で、俺は今年新卒で入社した若造である。いつも事務処理のミスでちくりと嫌味を言われていたが今はご褒美である。嫌味を言われてもニコニコと笑っていたら沢口さんも「……真面目に聞いてる?」と些か苛立ちをこめたドスを効かせた声で説教を食らった。的を得た正論をこれでもかと浴びて本気で反省した。暫く口を聞いてもらえないかもしれない、そう思ったが次の日にはいつも通りの様子で安心したのだった。
ただ何かと接点を持とうとアプローチしてものらりくらり躱される。暖簾に腕押し、とはまさにこのことなのかと。この間、帰りが一緒になったときがあった。俺が早上がりで、沢口さんが残業をしていたためである。出てくるタイミングを見計らって、声をかけた。
さて、そこからというものの沢口の様子が気になって仕方なかった。沢口さんは八歳上で、俺は今年新卒で入社した若造である。いつも事務処理のミスでちくりと嫌味を言われていたが今はご褒美である。嫌味を言われてもニコニコと笑っていたら沢口さんも「……真面目に聞いてる?」と些か苛立ちをこめたドスを効かせた声で説教を食らった。的を得た正論をこれでもかと浴びて本気で反省した。暫く口を聞いてもらえないかもしれない、そう思ったが次の日にはいつも通りの様子で安心したのだった。
ただ何かと接点を持とうとアプローチしてものらりくらり躱される。暖簾に腕押し、とはまさにこのことなのかと。この間、帰りが一緒になったときがあった。俺が早上がりで、沢口さんが残業をしていたためである。出てくるタイミングを見計らって、声をかけた。