助けた王子に妃へと望まれた魔女ですけれど、自然が恋しいので森に帰りますね

王都クリフェン

 それから二日。王国の正規部隊に守られての旅程はつつがなく進行し……。
 
「ここが……」

 アルクリフ王国の王都クリフェンに、メルたちはついに辿り着いた。

「もし機会があれば、王城の尖塔からの風景を見せて差し上げよう。中々に素晴らしいものですぞ」

 そんなことを言っていたのは騎士団長のボルドフだ。
 街全体が円を描く白壁に囲まれ、中心から放射状に大通りが伸びているその様は、高所から見れば巨大な花のように映るのだそう。メルも、今も高空からこちらを見下ろす鳥の瞳を借りてぜひ、その全体像を目に収めてみたいものだと思った。
 そして、中央にはこの国の王城が佇む。

「ついに、戻ってきたか……」
「ですな」

 感慨を胸に、ラルドリスとシーベルは呟いた。
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