助けた王子に妃へと望まれた魔女ですけれど、自然が恋しいので森に帰りますね
『今日も頑張ったね、メルや……』

 きっと彼女なら、いつでもどこかで自分の努力を見ていてくれる気がする。
 それを想えば、不思議と何事にも怯えず、立ち向かっていける。

「さ、チタも戻ってきたし……お茶にしましょう!」
「お――」

 居室に戻ろうという時に、ラルドリスは目を見開いて立ち止まった。
 なにかあるのだろうかとメルが首を傾げると、彼は唇の片方をあげた。

「いや……今の笑顔はよかったぞ。綺麗だった」
「……ど、どうも」

 いきなりの讃辞に、つい照れが先に立ってしまうメルだったけれど。

「ありがとうございます……!」
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