イケメン吸血鬼を救え!ー私の血を貴方にー

3 KIOKUー2ー



「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ぁぁぁああああ!!」

俺の手首は天井から吊り下げられている手錠に囚われていた。

触れ合う練習とか言って…

触れられる度に俺は悲鳴をあげる。

「無理には良くないよ、シャラさん」

「灯莉ちゃんが来て1ヶ月も経ってるのに触れられないってどういうこと?!ミーラ」

「無理なもんは無理なんだよ!」

再び、シャラは俺の体に触れてくる。

足、腕、腰…なぞるように。

「ギャッやめろ(泣)ガァああああああああああああ!」

「今日は、これでおしまい。明日も殺るから」

シャラは、手錠を解いた。

俺は床に膝をつく。

「ハァハァハァ…」

それを、灯莉は見守る。


次の日も次の日もシャラは俺の体に触れる。

もう、…頭がおかしくなっていく。

口からヨダレを垂らして、耐えた。

俺が俺じゃなくなってしまう…

「…辞めて…ヤダ…お願い…シャラ」

俺は瞳から涙を流した。

それを見たシャラは俺を心からハグする。

「こんなにもなって、アイツは何も思わないなんて…許せない」

と、言いながら優しいハグをした時だ。

俺の体から、なにかか解かれた感覚に落ちた。

すると、不思議なことに俺は触れられても大丈夫体を取り戻した。

灯莉は、驚いている。

「シャラ」

「ミーラ」

俺は、シャラにハグを返した。

灯莉も一緒になって、俺とシャラをハグした。



それからと言うもの、俺とシャラは広いベットの中で灯莉を囲むように灯莉の血を啜る。

灯莉の顔はうっとり。

俺たちに血を吸われて気持ちいいのだろう。


その時、城のドアを叩く音が聞こえた。

「ん?なんだ?」

俺が確認しようとしたが、シャラに止められた。

「ここで、待ってて」

いつも異常にシャラの緊迫とした顔。

戻ってきたのはそうかからなかった。

だが、服顔手には血が着いていた。

シャラではない誰かの血。

その匂いは、一瞬で分かった。

「シャラ、まさか…お前」

「しー」

シャラは、人差し指を唇に当てた。


そうか、確信した。

俺のために…アイツを殺したのだと。

「灯莉ちゃん、ちょっと席を外してくれないかな?」

灯莉も察したのだろう。

「2人で仲良く」

灯莉は、部屋を後にした。


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