悪魔なあなたと結婚させてください!
「無理をしてないか?」
帰宅後アレクがそんな心配をしてきたくらいだ。

悪魔に心配されるなんてよほどヒドイ顔をしていたに違いない。
だけどその代わりに寝付きはすこぶる良くなった。

ほどよく体が疲れているせいか、夜中に目を覚ますこともなく、もちろん寝酒なんて全く必要ないものになっていた。

「なんだか肌の調子がよくなってきた気がする」
ある朝洗面所に向かって幸はつぶやいた。

少し前まで吹き出物だらけだった肌は今はツヤツヤとして輝いている。
血色もよくて、無駄な脂肪も取れてきたように感じられる。

「それが努力の結果だな」
アレクがわかったように言うのでちょっとだけ笑ってしまった。

そのアレクの姿は鏡には映っていない。
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