悪魔なあなたと結婚させてください!
人の肉眼で見ることはできても、鏡には映らないみたいだ。
「人の顔をジロジロ見て、どうしたんだ?」

「う、ううん。なんでもない」
ついじーっと見つめてしまって慌てて視線をそらす。

自分は本当にアレクと結婚するんだろうか。
鏡に映らない彼と。

人間ではない彼と。
「なにかあるならハッキリ言え」

「な、なんでもないってば」

どうにかごまかそうとしてみるけれど、アレクに手首を掴まれてしまった。

今更結婚することに不安になっているなんて言えない。
アレクを召喚して結婚することを命令したのは幸なのだから。

「俺の見ていないところでまたひどい目にあってるのか?」
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