悪魔なあなたと結婚させてください!
と、持っていたもの全部を手渡されてしまった。
抗議する間もなく試着室へ押し込められる。

一体どんなものを選んでくれていたんだろうかとひとつを広げてみると、体にピッタリフィットしそうなTシャツであることがわかった。

「これはさすがに……」

ぶつぶつと文句を言いながらも試着しないとアレクが怒ることがわかっているのでひとまず着てみる。

思っていたとおり大きな腹部がそのままラインに出てきてしまって恥ずかしい。
こんな服を着て歩いていたら勘違い女だと思われてしまう。

「着れたか?」
脱ごうとしたタイミングで表から声をかけられたのでそろそろとカーテンを開く。

試着室の周りには他の客の姿はなくてひとまずホッとした。
「さすがにこれはないよ」

わざとこんな服を選んだのかもしれないと思い当たってアレクを睨みつけて言った。
< 148 / 207 >

この作品をシェア

pagetop