腹黒王子とめぐるの耽溺日誌
「……ていうか、先生は大丈夫なんですか?」


「なにがだい?」


「そんな証拠とかを私に渡したりして……立花を失墜させるってことは、先生の教員の立場も危うくなるんじゃないですか?」


あんだけ渋っていたのにやけに協力的になったなと、ふと思う。
私の言葉に谷口先生は、困ったような、それでいて割り切ったような顔をして曖昧に笑った。


「僕もそれは考えていたんだけどね……倉木が"先生は生徒の為に動いてくれる人だって信じてます"って、言ってくれたんだ。だから、僕もその期待に応えなきゃなって思えてね……勿論、教師として!」



淫行教師という不名誉な肩書きがついてる今、純粋に"教師"として期待に応えなきゃと思ってるって言うのはなんとも信じ難い。

けど、向坂君的にはそっちの方が都合が良いだろうし、私としても有難い。



「そ、そうなんですね……とりあえず、このボイスレコーダーは預かっておきます。向坂君に渡しても良いですか?」


「あぁ、元より向坂に渡す物だったからね……良いかい、雪平。君は間違いなくマークされている。今日みたいな出来事がいつ起こっても不思議じゃないんだ。だから、なるべく佐原と一緒に行動しなさい。佐原が無理なら、絶対誰かと行動すること。一人になるのだけは避けなさい。良いね?」


「はい、今日の事で身に染みて分かりましたから……」


次は絶対に油断しない。
そして、久我と立花を間違いなく地獄に落としてやる。

真っ直ぐ谷口先生を見つめると、「よし、では以上だ」と進路指導室のドアを開けた。



「ふあ〜あ……遅すぎて眠くなっちまったぜ…」


「思ったより長くなってしまったよ、すまないね。じゃあ、後はよろしく頼むよ」


「あ、はい!佐原君、お待たせしました。いざ帰りましょう!」


「お前のそのテンションなんなんだよ……」



呆れる佐原君を連れて、生徒玄関の方に二人で歩いて行った。


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