お嬢様は今日も美しい
「別に責めているわけではない。公平に判断するために状況を把握したいだけだ」
「ははっ。それは詭弁だろう? 俺の目にはお前があいつの味方で肩入れしているようにしか見えないんだがな」
あちらが明らかに不利だから、彼女を庇うために難癖付けてくるのでしょう。
婚約者を取られた哀れな公爵令嬢が嫉妬に狂って嫌がらせをしていると訴えて、殿下の寵愛を名実ともにしたかったのかしらね。
「ベルナルド。お前は王太子なのだから、もっと冷静に広い視野を持たないと。懇意にしている令嬢だからとすべてを鵜吞みにするのもどうかと思うが」
もっとなことを言われて諭されてカッと頭に血がのぼった王太子。真っ赤な顔をして両手のこぶしを震わせていた。
男爵令嬢は背中越しに殿下とお嬢様の様子を交互に伺っている。悪びれている様子はなさそう。
お嬢様の表情は無のまま。若干飽きてきていらっしゃるのではないかしら。
「黙れ。俺に指図をするんじゃない。それよりも俺は知っているんだぞ。ルーカス、お前、フランチェスカと浮気をしているだろう。お前こそ不貞を働いているんじゃないか」
王太子の衝撃的な発言に会場中が凍り付いてしまった。