お嬢様は今日も美しい

「俺が知らないとでも思ったのか?」

 王太子はふんと鼻を鳴らし腕を組んで殿下とお嬢様を見下げる。

「身に覚えのないことを言われて、何と答えればいいのか。誓って言うが、俺はローシャス公爵令嬢とは何もない」

 殿下は真剣な眼差しで王太子に告げる。

「わたくしも同じですわ。第一王子殿下との仲を疑われるようなことは何一つ致しておりませんわ」

 きっぱりと否定するお嬢様。
 その通りです。お嬢様と私はいつも行動を共にしておりますし、スケジュールの管理も行っております。殿下と会う機会などございませんし、会う必要性もありませんからね。それは、殿下も同じでしょう。

「嘘つけ。俺はこの目で見たんだぞ。二人が王宮の庭園で一緒にお茶をしているところをな。ああやって何度も会っているんだろう。俺の目を盗んでな」

 王太子の目撃談にざわざわと周りが騒がしくなる。
「本当なのか?」「まさか、お二人が……」などとひそひそと声がする。

 まったく何を言い出すんでしょうかね、この王太子は。

 少々退屈な学園生活を送っている者からすれば、恋のスキャンダルなんて格好の餌。
 皆の好奇心が色濃くなって目が輝いているのがわかる。




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