お嬢様は今日も美しい
 
 お嬢様の話し相手としてお屋敷に上がってから三年、侍女となってからは二年。
 十七歳のお嬢様と同い年の私は公爵家ご夫妻のお慈悲で学園にも通わせてもらっています。

 いわゆる貧乏な子爵家の上に子供が六人の子沢山。全員が学園に進学させるには厳しかった。

 そこへ運よく遠縁だというローシャス公爵家から娘の話し相手にと同い年の私に声がかかった。私への養育費と我が家への援助金なども込みで。破格の条件に両親は一も二もなく了承し、もちろん私も、少しでも家計の手助けになるのならと了承しましたよ。

 お屋敷に上がった当初はホームシックになったり、何もかもが我が家と違いすぎて、何をするにも慄き失敗の連続でしたが、お嬢様と接するうちに少しずつ心も癒されていきました。
 今ではお嬢様のお世話をさせていただくことが私の生きがいとなっています。

 燦燦と降り注ぐ陽の光。どこからともなく聞こえる小鳥のさえずり。時折吹く風に揺れる木々の葉擦れの音。お屋敷で体験するどれもが今の私の生活のすべてです。お嬢様に出会えた幸運に感謝しかありません。



 未来の王太子妃という枷が外れたお嬢様に最上の幸せが訪れますように。

 私はこれからも精一杯お嬢様にお仕えさせていただきます。

                                 


                               《 完 》





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