【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

「つめた……」

 冷たいそれは、ちゅーちゅー食べるアイスだった。
 溶けてシェイクみたいになるアイス。
 私の大好きなアイス。

「え……吸血鬼が? 私に……?」

「うん。お兄ちゃんの手、すごく冷たいね。僕がお姉ちゃんに渡すねってもらったよ」

 肉まんのお返しに、栄養ドリンク渡したのに、今度はアイス……。
 やだ……恥ずかしい……嬉しい……?
 熱で朦朧としてるし、なんかわかんない。

 そして気になる弟の言葉。

「吸血鬼の手……冷たいの……?」

「うん、冷たかった」

 おでこにくっつけてもらってる吸血鬼からのアイスが心地良い。

「この、アイスくらい……?」

「これよりは、あったかい」

「……どのくらい……?」

「ええとぉ、僕の手よりはぁ……冷たくて……机くらい……?」

「……机……? どの机? リビングの? 私の部屋の?」

「えぇっ……えー」
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