【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

 久しぶりのインフルエンザは、辛くて辛くて……薬をもらったから、効くまでの我慢。

 ハァハァ言いながら、スマホを握りしめた。
 サンタの吸血鬼を見たら、元気が出るかもって思って……。

「はぁ……かっこいい……」

 ……熱があるからか、いつもよりカッコよく見える……。
 寒気がひどいよぉ……。

「お姉ちゃん、これ」

 熱が上がりきって、寒気からは解放されたけどアツアツの私にところへ弟がやってきた。
 弟はまだ小学三年生で、子供。
 生意気だけど、可愛いと思ってる。

「……どうしたの?」

 きっと同じウイルスだから弟はもううつらないよね……。

「さっき、お母さんとコンビニに行ったの。そしたら吸血鬼のお兄ちゃんがこれ、お姉ちゃんにって」

「え……!?」

「お母さんが、ムスメが熱出して~って話したから」

 宅配ケーキのあれだけで、私がお母さんの娘だって気付いたの?
 うそぉ……やだ……うれし……!!
 ピタッて私のおでこに、弟が何かをくっつけた。
 
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