恋愛日和 〜市長と恋するベリが丘〜
「あ、そういえば胡桃、トッコちゃんが変なこと言ってたぞ?」
桑名が何かを思い出した。
「変なこと?」
「胡桃が孫の婚約者だとかなんとか」
「え!」
「トッコちゃんの孫ってことは、今の市長ってことじゃないのか?」
「そ、それ違う! 十玖子さんとはいつも『本当のおばあちゃんだったらいいのにな』って言ってるくらい仲が良いの! それが変な感じに伝わっちゃったみたい」
大慌てでごまかす言葉を並べる。
「だよなぁ。胡桃が結婚するなんてそんな雰囲気これっぽっちも無かったもんな」
「あははー」
(それもなんか悲しいけど)
胡桃は今度は乾いた笑いを浮かべた。
「胡桃が結婚するときは、うちの店の物、何でも好きなのやるからな」
「もー! 結婚できないと思ってません?」
桑名は「ハハハ」と大きな声で笑った。
「はいこれ、ベリビの最新号です。近々また商店街の特集もしたいので、そのときはよろしくお願いします」
「おう。また時計の修理も紹介してくれよ」
ベリビを一冊手渡してお辞儀をすると、胡桃とリス君こと壱世は骨董品店を後にした。
「どうでしたか? リス君」
「おい」
胡桃はまた「ふふ」と笑う。
「こういう所はあんまり来ないんじゃないですか?」
「ああ。たしかに」
「骨董品屋さんがITとかマーケティングとか最新機器とか、意外性があっておもしろいですよね」
「高齢層にもあんな人がいるんだな」
素直に感心している壱世の感想に、胡桃はにっこり微笑む。
「じゃあ次に行きましょう! しばらく商店街を見ます」
桑名が何かを思い出した。
「変なこと?」
「胡桃が孫の婚約者だとかなんとか」
「え!」
「トッコちゃんの孫ってことは、今の市長ってことじゃないのか?」
「そ、それ違う! 十玖子さんとはいつも『本当のおばあちゃんだったらいいのにな』って言ってるくらい仲が良いの! それが変な感じに伝わっちゃったみたい」
大慌てでごまかす言葉を並べる。
「だよなぁ。胡桃が結婚するなんてそんな雰囲気これっぽっちも無かったもんな」
「あははー」
(それもなんか悲しいけど)
胡桃は今度は乾いた笑いを浮かべた。
「胡桃が結婚するときは、うちの店の物、何でも好きなのやるからな」
「もー! 結婚できないと思ってません?」
桑名は「ハハハ」と大きな声で笑った。
「はいこれ、ベリビの最新号です。近々また商店街の特集もしたいので、そのときはよろしくお願いします」
「おう。また時計の修理も紹介してくれよ」
ベリビを一冊手渡してお辞儀をすると、胡桃とリス君こと壱世は骨董品店を後にした。
「どうでしたか? リス君」
「おい」
胡桃はまた「ふふ」と笑う。
「こういう所はあんまり来ないんじゃないですか?」
「ああ。たしかに」
「骨董品屋さんがITとかマーケティングとか最新機器とか、意外性があっておもしろいですよね」
「高齢層にもあんな人がいるんだな」
素直に感心している壱世の感想に、胡桃はにっこり微笑む。
「じゃあ次に行きましょう! しばらく商店街を見ます」