両手から溢れる愛を
"何かと重ねちゃった?"
えぇえぇ重ねましたとも。
思わせぶりな行動をとったくせに主人公を振ったツバサ。それに心を痛める主人公。
さっき、キスしそうになったのに、もし告白して振られたらどうしようなんて。
……キスしそうになった、なんて思ってるのも私だけかもしれないし。
未遂でもなかった。
思い返せば、お互い思ったよりも近かったその距離にびっくりして固まった。ただそれだけ。
そこから唇が近づいてきたとか、そんなことが起きていたらそれは未遂にカウントされるけど。
三島も私も、全く動かなかったんだから、未遂の未遂だ。いや未遂の未遂ってなによ?
……それに、私は動かなかったというよりも、動けなかったというのが正しい。
てか大体さ、もういっそのことキスしてくれば良かったのに。
近づいてきてさえくれれば、私も流されることくらいはできた。
……流されるのが嫌だったのかもとか、そういうネガティブな思考だけはすぐに思いつく自分が大変憎らしい。
ドラマが終わった後、叫んだ私を見兼ねてか、もう寝たら?と言ったお母さんに、そうすると言ったものの、ベッドに入ってもずっとモヤモヤがなくなることはなかった。